2012年3月19日月曜日

通年議会、23日議決へ 県議会  (下野新聞 3月17日)


 県議会の「議会あり方検討会」(石坂真一会長)は16日、年4回開催だった定例会を2012年4月から年1回の「通年議会」とする報告書をまとめ、神谷幸伸議長に提出した。23日の本会議で関係条例の改正案を提出し、即日議決する予定。
 通年議会の導入に伴い、会期は1~12月となる。12年度は4月開会。県議選のある年の定例会は2回になる。補正予算の審議や災害など迅速に対応できるという。知事の専決処分は大幅に減ることになる。
 一方、長崎県議会で16日、定例会を年1回の「通年議会」とする改正条例が賛成多数で可決、成立した。栃木県議会と同様に2012年度から全国に先駆けて実施する。長崎の会期は毎年5月から翌年3月まで。

2012年3月7日水曜日

溶融スラグ、8割が8000ベクレル超 県内、処分の見通し立たず (下野新聞 3月7日)


 福島第1原発事故による放射能汚染のため、県内4カ所の下水道処理施設に一時保管されている溶 融スラグは2月末時点で約2630トンあり、放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレルを超えるものが約8割を占めていることが6日、分かっ た。8千ベクレル以上は「指定廃棄物」として国が直接処理することになっており、国は1月施行の放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、年度内に処理方針 を決めるとしている。ただ処理先は県内の処分場が前提。県内に管理型処分場はなく、見通しは立っていない。

 県県土整備部によると、県内で保管されている1キログラム当たり8千ベクレル超の溶融スラグは約2170トン。ほとんどは原発事故直後の昨年春から夏に処理された。
 溶融スラグは、県下水道資源化工場(宇都宮市)で、下水汚泥を高温処理して製造される。建設資材などにリサイクルされてきたが、原発事故後、放射 性物質の検出で一時ストップした。現在、再利用できないものは県県央浄化センター(上三川町)、県北那須浄化センター(大田原市)、宇都宮市川田水再生セ ンター、那須塩原市黒磯水処理センターの計4カ所に分散保管されている。
 県は各施設で毎日、空間放射線量の測定を実施しているが、これまで測定された線量はスラグ搬入前と同レベルで推移している。 

2012年3月6日火曜日

被災17市町に重点配分 復興基金 (下野新聞 3月6日)


  国の2011年度第2次補正予算で本県に配分された東日本大震災復興推進基金(40億円)のうち、全26市町に県が配分する交付金20億円の市町別配分予 定額が5日、分かった。特に被害が大きかった宇都宮市や真岡市など17市町に手厚く配分される。早ければ年度内に配分が始まる見通しで、それぞれの市町が 基金に積み立てた上で、複数年度にわたって独自の震災復興事業費の財源として活用する。
 配分予定額が最も多いのは宇都宮市の約2億900万円。そのほか真岡、大田原、那須塩原の3市が1億円を超えた。被害の大きかった矢板、那須烏 山、益子、市貝、芳賀など主に県東、県北部の市町に多く配分された。各市町は今後、主にソフト事業を中心に復興に向けた活用策を検討するとみられる。
 国は昨年12月、被災した本県や岩手、宮城、福島など9県が震災復興事業に活用するための基金を創設できるよう、総額1960億円を特別交付税として交付。本県には県分として20億円、市町分20億円の計40億円が配分された。

2012年2月29日水曜日

県議会代表質問】食品新基準で検査強化 人事評価の透明性確保 (下野新聞 2月28日)


 県議会2月定例会は代表・一般質問初日の27日、三森文徳(とちぎ自民党)、高橋修司(みんなのクラ ブ)、一木弘司(民主党・無所属クラブ)の3氏が代表質問を行い、食品中の放射性セシウムの新基準値への対応や、県職員の人事評価制度などについて県執行 部の考えをただした。福田富一知事らは(1)新基準値を超えた農林産物が流通しないよう検査体制を充実する(2)県職員の人事制度は結果を開示する仕組み を整え、透明性を確保する-ことなどを明らかにした。
 ■三森 文徳氏(自民) 在宅医療推進室新設できないか
 -4月から適用される食品の放射性セシウム新基準値に対し、県はどう対応するのか。
 知事 放射性セシウムの農林水産物への移行低減対策に加え、新基準を超えた農林水産物が流通しないよう検査体制充実を図る。流通段階の検査を厳正 に行い、結果を公表する。農協管轄区域単位で行っている検査は原則として市町単位とし、栽培面積の少ない地域特産物は検査対象を拡大する。魚は検査する種 類や地域を増やす。
 -在宅医療・介護充実の取り組み強化が必要。県庁に在宅医療の推進室を新設しては。
 知事 本年度は、関係団体や有識者による県在宅医療推進協議会を設けた。県内の実態を調べるとともに、医療、介護の効果的な連携などの検討を進め る。引き続き看護職員の養成確保などに取り組み、2012年度からは看護と介護を一体的に提供する複合型サービスの普及を図る。庁内組織については(協議 会の取り組みを踏まえて)効果的な推進体制を考えていきたい。
 /高橋 修司氏(みんな) 全身測定装置、県も導入すべき
 -身近なところで内部被ばく検査が受けられるよう(全身測定装置の)ホールボディーカウンターを、県も導入すべきではないか。
 知事 国内に106台あるとされるが、国内では製造していない。茨城県に20台近く、福島県にも10台近くあるなど原子力発電所のある所には配置 されている。本県は茨城県の施設の協力を得て検査することになっている。外部被ばく、内部被ばくと給食の検査との三つの事業の結果を踏まえ、有識者の提言 を勘案し対応したい。
 -12年度から本格導入する県職員の人事評価制度の内容は、どのようなものか。また透明性をどう確保していくのか。
 五家正経営管理部長 職員の人材育成に効果的で信頼性のあるものとなるよう、12年度後半からの本格導入に向け、試行中の制度の見直しを進めてい る。評価基準の明確化を図り、業績だけでなく結果に至るプロセスも加える。結果を開示する仕組みも整備し、透明性を確保したい。
 ■一木 弘司氏(民主・無所属) スポーツゾーン 県全体で検討を
 -総合スポーツゾーン構想は、県全体の均衡の取れた発展という見地から検討していくべきだ。今後設置する全体構想の検討委員会で、県内のスポーツ施設全体の在り方を検討する機会はあるのか。
 知事 まず各市町のスポーツ施設で、安定的に事業ができるものがどの程度あるのか把握する。大きな大会を誘致した場合のことも議論しながら、どういう施設を優先して整備すべきなのか、有識者の意見を伺いたい。
 -宇都宮市の次世代型路面電車(LRT)導入について、知事は講演で「可能性を追求したい」と述べたとの報道があった。しかし県民全体が必要感を持てるのか、本当に高齢者が利用するのか、多くの諸問題が横たわっていると危惧する。
 知事 LRTは市が検討している選択肢の一つであり、実現には市民や県民の理解、交通事業者との連携、整備運営の手法など多くの課題がある。公共交通の充実に向け、引き続き市の取り組みを支援していく。

2012年2月28日火曜日

職員費削減12年度打ち切り 県議会で知事が明言 (下野新聞 2月28日)


 27日の県議会代表質問で、自民、みんな、民主の3会派が厳しさを増す県財政運営をそろって取り上げた。 福田富一知事は2010年度から続けている職員費の5%削減を「約束だから(元に)戻さざるを得ない」として、当初の予定通り12年度で打ち切る考えを示 した。だが財源不足は拡大の一途。財政健全化の道筋を定めた「とちぎ未来開拓プログラム」の集中改革期間が12年度で終わるのを見越し、県議会では次期プ ログラム策定を探る動きも出てきた。
 「とちぎ行革プランに基づき、自立的な行財政基盤の確立に努める」。集中改革期間終了後の財政運営について、代表質問の先陣を切ったとちぎ自民党の三森文徳氏に対し、福田知事はそう答えた。
 みんなのクラブの高橋修司氏、民主党・無所属クラブの一木弘司氏はそろって次期プログラム策定の必要性を提言したが、知事の答弁は判で押したように行革プラン推進を強調、次期プログラムには一切言及しなかった。
 各会派が県財政に懸念を示すのは、12年度県当初予算案と同時に発表された中期財政収支見込みで、財源不足額が13年度に68億円、14年度に96億円、15年度には149億円と悪化する見通しが示されたためだ。
 県は現在、職員給与の5%削減で70億円の財源を生み出している。知事は、この日の答弁であらためてこの5%削減の打ち切りを明言した。13年度からはこの穴埋めに、職員の退職金を借金で賄う退職手当債の発行が柱となりそうだ。
 退職手当債はプログラム開始後2年間、封印してきた財源だ。12年度予算案には25億円計上しており、13年度以降は倍増が予想される。県の借金はその分積み上がり、財政の悪化が懸念される。

2012年2月22日水曜日

議員報酬5%減、1年延長可決 2月定例県議会が開会 (下野新聞 2月22日)


 2月定例県議会は21日開会し、福田富一知事ら県執行部は震災復興事業を柱とする総額7826億6千万円の2012年度一般会計当初予算案や11年度一般会計2月補正予算案など64議案と報告1件を提出した。
 11年度実施している議員報酬の5%削減を4月から1年間、12年度いっぱいまで延長する条例改正案が議員提案で提出され、全会一致で可決した。
 会期は3月23日までの32日間。代表・一般質問は2月27、28、29日の3日間で計11人が質問する。予算特別委員会の総括質疑は3月6、7の両日。常任委員会は同8、14、15日。

2012年2月16日木曜日

地域受け皿260人分不足 県、障害者支援体制拡充へ 12~14年度 (下野新聞 2月15日)


 地域で暮らす障害者の住まいとなるグループホームやケアホームは、県内で2014年度までに計260人分 が新たに必要となることが14日までに、県のまとめで分かった。居宅介護などの訪問系サービスを担う事業所は、133カ所が新規に必要となる見込み。県は 第3期障害福祉計画(12~14年度)で、入所施設からグループホームなどでの地域生活に移行する障害者を410人増やすことを目指し、施設整備を促すな どして支援体制の充実を図る。
 今後必要となる施設の定員や事業所の見込み数は、サービス事業者への意向調査などを踏まえた各市町による推計を積算した。
 グループホームやケアホームは、障害者が入所施設を退所し、地域で暮らす場合の主な受け皿となる。県内を六つに分けた障害保健福祉圏域別に見ると、県北で59人分の余裕がある一方、県南は198人分が不足する見込みで、地域差が大きい。
 自宅などで暮らす障害者向けの居宅介護、同行援護などの訪問系サービス事業所は、すべての圏域で不足する見込みで、45~8カ所の増設が必要となる。
 施設から地域生活に移行する障害者の目標数は、障害者と健常者が共に暮らすノーマライゼーションの考え方を背景に、第1期計画(06~08年度) から盛り込まれた。県内では、施設入所者が05年10月時点で2758人いたが、11年10月までに506人が地域生活に移行し、2期計画で目標とした 410人を上回った。第3期計画では、さらに410人の移行を目指す。